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今、美しきもの

2015.05.25

今日は朝に車を買いたい人から電話があった。こういう個人売買の場合、値切る交渉がつき物だけど、彼はちょっと値切り方が違った。上手だったなぁ。自分の愛車Nissan Tiidaの元値はA$7800。07年式ですでに10万キロ走ってる。日本だったらほとんど値はつかないだろうけど、ここオーストラリアだとまだまだ良い値でうれる。買ってくれたのはインドかおそらくはスリランカの若者。名前が異様に長いからやっぱりスリランカ人だろうなぁ。彼のニックネームはNishanで、Nissanの車を買ってくれるんだねー、といったら「へへ」と笑っていた。試乗にはいとこのおじさんとおばさんとそのこどもの4人で来た。値切り方もおもしろい。彼ら曰く、「値切ることはきたないこと」だからしないと。でも、予算が限られてるから安くならない?というアプローチだ。車検がすぐなので、その$600はすぐに引いてあげて$7200を提示。すると、だせても$6500という。そこからがおもしろかった。日本をほめ殺し、日本車をほめ殺し。僕をほめ殺し。僕も、この車をしばらく売りに出していて疲れてたので、じゃ、$7000というと、じゃ、その半分の$6700と言ってきた。僕もめげない。といってもあとで思うとすっかり飲まれていて「じゃ、$6800で」と。すると彼らは「たった$100でこの商談が成立しなくなるかもよ、それでもいいの??」みたいな。僕は、いいよそれでも。もう一人、見にきたいというひとがいるからといって物別れに。別れたあと5分も経たないうちに「買うよー。絶対他の人にはうらないでー」という、可愛らしいメッセがきた。結局1000ドルも下げて売ったけれど、なんか楽しかったなー。 午後にはメルボルン美術館へ「Choir of Central Australia Women」のコーラス(賛美歌)を聞きにいった。彼女たちは、アリススプリングから120km離れた中央オーストラリアのNtariaに住むアボリジニー女性コーラスグループ。彼女たちは明日ドイツへ旅発つとことで、今日がいわば壮行会。

白人のアボリジニーの土地へ入植が始まった19世紀初頭、オーストラリア。タスマニア、シドニーからはじまったこの入植も19世紀末には中央地のこの地域までに広がった。多くの労働力とともに、アボリジニーは行き場を徐々に限定され、ミショナリーといわれる、特別区画へ強制移住させられる。そこで、リトアニア系ドイツ人からの宣教師に教わった53の賛美歌は現地の言語に直され、今尚歌い続けられているとのこと。現在では、これらの賛美歌はアボリジニーの3つの現地語、ドイツ語、英語で歌われているそう。悲惨な歴史さえも、そこで得られた小さな楽しみ、つながり、開放、歌がまた文化となり伝統となる。

歌う女性は多くが年配かお年寄り。しっかりとした体躯とは裏腹にまさに「天使」のようは声と、すばらしいミュージカリティー。宗教を持つものも持たぬものもそこに溢れる包み込まれるような歌声に、自然と涙がでてきたのは音楽とそれをつかう人の精神性の神秘的な結晶を目の当たりに出来たからかもしれません。

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