ImPermanence Production
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今、美しきもの

2015.03.03

昨日は神奈川県井土ヶ谷のBlanclassが主催する池宮中夫氏のWSに参加してきました。友人の石本華江さんに、池宮中夫さんのパフォーマンスはすばらしいと聞き、月曜日に早速メールを送って、「H­erdenohrーMINUTE 群生する耳ー微小」の公演へ向けたパフォーマンスを兼ねたWSに参加。正直、池宮さんの名前はなんとなく聞いたことはあったけど、実際はYoutubeでちょっとだけ過去のPerformanceを見ただけ。とにかく、行ってもいいのかというぐらいの知識で、それでも感じること、学べることはあるはずだし、池宮さんはそういう予備知識的なものなんてどうでもいいんじゃないかとかってに思って申し込んだ。 池宮さんの空間感覚というか、空間に対する思い入れとその緻密さ、世界観はBlanClassのスタジオに入った瞬間にぐぐっときた。BlanClassの空間はロフト的な構造で2階建てアパート建築のような2階部分。階段で上がっていく。まず入ると事務所があって、そこは美術関連の本が壁にびっしり。そこから奥に入ると白を基調としたスタジオがある。この建物の裏側は山で、前方は井土ヶ谷の町がちょっと見渡せる。大きな窓が街側に広がっている。このスタジオ、広いといえば広いがなんとなくスタジオ兼倉庫、といった感じ。たくさんの書類の入った茶色や黒の書類ケースが山側の壁をびっしりと埋めていた。そのスタジオの一角に更衣室になっている小さなスタディルームがあって、それは町を見下ろすところにある。たくさんの美術本、筆記用具、色鉛筆などなど、ため息がでるほど素敵な一角。

ワークショップはまず、「夜とつながる」ことからはじまる。自分のもっている夜との関わり。部屋の明かりが徐々になくなり、白のスタジオの暗闇で僕は僕の体の中で何が生まれるのか。体は動く、小さな夜の感覚がこの肉と骨を動かす。内側から外側から、この場所にいて、この場所にいない自分と自分でない自分。次に、池宮さんに僕が目を瞑ったまま導かれる。夜の世界にさらわれる意識感覚と、身体感覚の違い。連なる椅子の上におかれたときの恐怖感と安心感。次に、「自分の左手の甲は実は森だった」。その世界は遠く深く静かかもしれないし、ざわめいているかもしれない。左手の甲が実は体の一部、そしてそれは知らないうちに世界の自覚の一部となる。

WSのあとに、3月7日、8日に行われる公演のプロモーションビデオ作り。その後のインタビューセッション。その中で幾つか池宮さんの言葉で印象の残ったもの。「ここ(スタジオ)で潜んでいるものが(体に)流れないはずが無い。体はそれぐらい素直だ」。「地球を踊る、というのは自分も地球の一部だという認識」、「あやふやな関係性の確かさとそれがクリックする感覚」、「外側と内側をいったりきたりする感覚」などなど。僕は、池宮さんの世界観のなかで踊ることは難しかった。部類わけをするのは意味が無いけど、舞踏は「体を空にする」ことで成立する、大野一雄氏の舞踏は「精神が体を動かす」、つまり、自分としての感覚が軸になり存在することが前提となる。池宮さんはそのどちらでもなく、自分が空間、世界、地球の一部であるということを認識することによって起こる空間と体の科学反応を探る、みたいな感じ。これはやってて難しい。何が難しいかというと、自分をひとつのエレメントとして捕らえながら、自分ではない構成物と結合あるいはそれを知覚する。トランス状態もこれはできないし。これはすごいものを発見したお得感がある一晩だった。